Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
宇田川 豊; 杉山 智之; 天谷 政樹
Journal of Nuclear Science and Technology, 56(12), p.1063 - 1072, 2019/12
被引用回数:8 パーセンタイル:61.94(Nuclear Science & Technology)反応度事故時のペレット・被覆管相互作用により生じる軽水炉燃料の破損に関して、我が国の規制基準改訂の検討に資するため、原子炉安全性研究炉NSRRを用いて得られた近年の研究成果を総括する。これに基づき、現行基準の妥当性及び現行基準に代わりうる新たな判断基準としての燃料破損しきい値とその考え方について議論する。
永瀬 文久; 更田 豊志
NUREG/CP-0192, p.197 - 230, 2005/10
LOCAに関する日本の安全基準は、事故条件を模擬した試験により決められた急冷時燃料棒破断限界に基づいている。このため、原研はLOCA条件を模擬した総合的な急冷実験を行い、高燃焼度燃料の破断限界を評価している。水素を添加した未照射被覆管やPWRにおいて39あるいは44GWd/tまで照射した高燃焼度燃料被覆管を用いた試験をこれまでに行った。破断限界は基本的に酸化量に依存し、初期水素濃度と急冷時の軸方向拘束力に伴い低下することが明らかになった。また、試験対象とした高燃焼度燃料被覆管の破断限界は、同等の水素濃度を有する未照射被覆管の破断限界とほぼ同等であることも明らかになった。
笹島 栄夫; 杉山 智之; 中村 武彦*; 更田 豊志
JAERI-Research 2004-022, 113 Pages, 2004/12
本報告書は、安全性試験研究炉(NSRR)において実施した反応度事故模擬実験、GK-1及びGK-2の結果についてまとめたものである。実験は、九州電力(株)玄海1号機で燃料燃焼度42.1MWd/kgUまで照射された1414型PWR燃料に対して行った。計装を施した試験燃料棒を二重カプセルに装荷し、NSRRにおいて0.1MPa, 293Kの静止水冷却条件下でパルス照射実験を実施した。GK-1実験の発熱量は505J/g、燃料エンタルピは389J/g、GK-2実験の発熱量は490J/g、燃料エンタルピは377J/gに達した。被覆管表面ではDNBが生じ、最高温度はGK-1で589K、GK-2で569Kに達した。パルス照射後の被覆管径方向最大残留歪みはGK-1で2.7%、GK-2で1.2%となったが、燃料棒破損には至らなかった。パルス照射中の燃料棒内自由空間への核分裂ガス放出率はGK-1で11.7%、GK-2で7.0%であった。
永瀬 文久; 更田 豊志
Proceedings of 2004 International Meeting on LWR Fuel Performance, p.500 - 506, 2004/09
原研は、さらなる燃焼度延伸がLOCA時の燃料挙動に及ぼす影響を評価するために必要なデータを取得することを目的に、系統的な研究計画を進めている。その計画の一環として、LOCA時に起こる全過程を模擬した総合的な試験を、PWRにおいて3944GWd/tまで照射したジルカロイ-4被覆管に対して実施した。30%ECRまで酸化した被覆管は、急冷時に破断した。この破断は、同等の水素濃度を有する未照射被覆管の破断クライテリア(約25%ECR)に合致する。約16及び18%ECRまで酸化した2本の被覆管は急冷時に破断しなかったことから、調べた燃焼度範囲では、照射によって著しく破断限界が低下することはないと考えられる。本報告では、酸化速度や破裂挙動も含め、試験の結果を報告する。
奥野 浩
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(7), p.544 - 551, 2003/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)臨界計算のベンチマーク結果を類似性に従い分類する方法をこの論文では提案した。相関係数を利用する方法の定式化の後に、経済協力開発機構/国際エネルギー機関(OECD/NEA)の下に実施された燃焼度クレジット臨界ベンチマーク問題III-A及びII-Aに適用した。ベンチマーク問題III-Aは照射済みの沸騰水型炉(BWR)燃料集合体の一連の臨界計算で、ベンチマーク問題II-Aは照射済みの加圧水型炉(PWR)燃料ピンの一連の臨界計算である。これらのベンチマーク問題及び結果をまとめた。相関係数を計算し、一連のベンチマーク計算結果の分類を、相関係数の値としてベンチマーク問題III-Aでは0.15以上,ベンチマーク問題II-Aでは0.10以上という基準に従い分類した。2つのベンチマーク計算結果が同一のグループに属するときに、一方の計算結果は他方の計算結果から予想可能であることがわかった。それぞれのベンチマークについて例を示した。評価済み核データが分類の主因子であった。
宇根崎 博信*; 奥村 啓介; 北田 孝典*; 佐治 悦郎*
Transactions of the American Nuclear Society, 88, p.436 - 438, 2003/06
日本原子力研究所・炉物理研究委員会では、軽水炉次世代燃料に対する核特性の計算精度を検討するため、「軽水炉次世代燃料の炉物理ベンチマーク」を提案した。次世代燃料とは、UOあるいはMOX燃料を用いたPWRまたはBWRにおいて70GWd/t程度の高燃焼度を目指すものであり、U-235濃縮度5wt.%といった現行軽水炉に対する規制を超える燃料のことを言う。これまでに12の機関がベンチマークに参加しており、異なるコードと核データライブラリを用いた格子燃焼計算結果の比較から、解析精度の現状と今後の検討課題が明らかにされた。
奥村 啓介; 宇根崎 博信*; 北田 孝典*; 佐治 悦郎*
Proceedings of International Conference on the New Frontiers of Nuclear Technology; Reactor Physics, Safety and High-Performance Computing (PHYSOR 2002) (CD-ROM), 10 Pages, 2002/10
日本原子力研究所・炉物理研究委員会では、軽水炉次世代燃料に対する核特性の計算精度を検討するため、「軽水炉次世代燃料の炉物理ベンチマーク」を提案した。次世代燃料とは、UOあるいはMOX燃料を用いたPWRまたはBWRにおいて70GWd/t程度の高燃焼度を目指すものであり、U-235濃縮度5%などといった現在の日本の燃料規制を超える核分裂性富化度を想定している。12の機関が異なるコードとデータを使用してベンチマーク問題の解析を行い、提出された結果を比較した。その結果、現在のデータと手法による解析精度の現状と今後検討すべき課題が明らかとなった。
炉物理研究委員会
JAERI-Research 2001-046, 326 Pages, 2001/10
日本原子力研究所炉物理研究委員会の下に設置された軽水炉次世代燃料の炉物理ワーキングパーティでは、軽水炉次世代燃料の核特性計算手法の精度を検討するために一連のベンチマーク問題の提案を行っている。次世代燃料とは、70GWd/t程度と現行の設計を大きく上回る燃焼度の増大を目指す燃料をいう。この結果、作成したベンチマーク問題の仕様は、235U濃縮度5wt%といった現行の設計限界を上回るものとなった。ワーキングパーティでは、ウランまたはMOX燃料を装荷したピンセル、PWR集合体、BWR集合体の計6つのベンチマーク問題を提案している。本報告書は、このベンチマーク問題の詳細仕様を示すとともに、ワーキングパーティメンバーの11機関が実施した予備解析の結果とその比較についても併せて述べる。
Hee, S. S.*; 須山 賢也; 望月 弘樹*; 奥野 浩; 野村 靖
JAERI-Research 2000-066, 131 Pages, 2001/01
同位体組成の計算をオブリハイムPWR型原子炉の26個の使用済燃料サンプル及び7つのPWR型原子炉の55個の使用済燃料サンプルを対象とし、SCALE4.4コードシステムのSAS2Hモジュールで27,44及び238群の断面積ライブラリ、及びSWATコードシステムで107群断面積ライブラリを用いて実施した。オブリハイム原子炉からのサンプルの解析では、幾何形状モデルはSCALE4.4/SAS2HとSWATそれぞれに対して作成した。7つのPWR型原子炉からのサンプルの解析では、SCALE4.4/SAS2Hに既に適用された幾何形状モデルをSWATのモデルに直接変換した。これら4種類の計算結果を測定データと比較した。便宜上、測定値対計算値の比をパラメタとした。この比が1より小さいとき、計算値は測定値よりも1大きく、1に近いと測定との一致がよい。燃焼度クレジットを採用した臨界安全評価のための多くの重要な核種について、この研究で適用した4つの計算手法は一般的に測定値とよい一致を示した。しかし、さらに細かく見ると、以下の点に気づく: (1)オブリハイムPWR型原子炉の選ばれた16サンプル(26サンプルのうち16サンプルはNd-148法で測定されたが、10サンプルはNd-148法より信頼性の低いCs-137非破壊法で測定された)では、Pu-239及び-241で1より小さな比となった。(2)Am-241とCm-242については、16サンプル及び55サンプルともに、1より大きな比となった。(3)Sm-149は55サンプルで1より大きな比となった。(4)SWATは概してSAS2Hよりも大きな比の値を示した。燃焼度クレジットを取り入れた、最近のPWR燃料などを含めた中性子増倍率の保守的な評価のために、核種組成の計算値に掛ける補正因子を、71サンプル(選択した16サンプルと55サンプルとを併せたもの)の測定値対計算値の比に基づき生成した。
安藤 良平*; 西原 健司; 高野 秀機
Journal of Nuclear Science and Technology, 37(10), p.924 - 933, 2000/10
将来の商業炉において高燃焼度燃料やMOX燃料が使われることにより、使用済み燃料からのマイナーアクチノイド及び核分裂生成物は多様化する。これを評価するために必要な計算手法を検討し、軸方向の燃焼度と減衰材密度分布を考慮した燃焼計算を行った。今回の計算では、さまざまな使用済み燃料(PWRかBWR、燃焼度33,45,60GWd/HMt、UOかMOX燃料)の燃焼時組成変化を明らかにした。それによって、PWRとBWR間のマイナーアクチノイド生成の相違などか示された。
久語 輝彦; 大久保 努; 島田 昭一郎*
JAERI-Research 99-057, p.29 - 0, 1999/09
将来型軽水炉の一つのオプションとして、既存軽水炉技術を用いて、平均取り出し燃焼度100GWd/tでサイクル長3年の高燃焼度フルMOX PWRの炉心概念の検討を進めている。本報告では、燃料棒の細径化によって減速材対燃料体積比(Vm/Vf)を増加させて、核的及び熱的性能の向上を試みることを目的として、燃料ピン間隔を現行炉心と同様の12.6mmとし、燃料棒を現行の9.5mmから8.3mmに細径化することによりVm/Vfを3.0に増加させた炉心を提案し、炉心核特性を評価し、炉心成立性を確認した。また、燃料棒径を現行と同様とし、かつ燃料ピン間隔を拡張したVm/Vf=2.6の炉心核特性と比較した結果、サイクル長が約9%減少することを除けば、核分裂性プルトニウム富化度を約0.3wt%節約でき、また減速材温度係数に余裕が増加するなど、むしろ良好な炉心特性を持つことが判明した。
久語 輝彦; 嶋田 昭一郎*; 大久保 努; 落合 政昭
JAERI-Research 98-059, 40 Pages, 1998/10
将来型軽水炉の一つのオプションとして、高燃焼度フルMOX PWRの炉心概念の検討を進めている。燃料ピン間隔を13.8mmに広げることにより減速材対燃料体積比を2.6に増加させて、電気出力60万kW、平均取り出し燃焼度100GWd/tを達成する炉心を提案し、核的成立性について検討した。本炉心には、12%の核分裂性プルトニウム富化度を要した。B-10を40%濃縮したホウ酸水を使用すれば、ホウ素タンクの増強をせずに、燃焼反応度の制御は可能である。また、天然ボロンカーバイド(BC)を使用した制御棒クラスターを集合体3体につて1体を設置すれば、2%dk/kk'以上の炉停止余裕を確保することができる。減速材ボイド係数及び減速材温度係数は運転中は負であり、可燃性毒物等の使用は不可欠ではないが、GdO及びErO等の可燃性毒物の使用により、径方向ピーキング係数を約0.1低減できる。
M.C.Brady*; 奥野 浩; M.D.DeHart*; A.Nouri*; E.Sartori*
Proc. of Int. Conf. on the Phys. of Nucl. Sci. and Technol., 1, p.624 - 630, 1998/00
国際ベンチマーク計算グループにより6年間にわたり実施された臨界安全解析での燃焼度クレジット評価に関する計算法の比較結果及び結論をまとめた。12カ国から約20人が、ほとんどの問題に計算結果を提供した。加圧水型原子炉燃料に対する4つの詳細なベンチマーク問題が完了し、その結果をここに要約した。沸騰水型原子炉燃料についての計算結果もほぼ終了し、その燃焼度クレジットについての議論、混合酸化物燃料を含む追加のベンチマーク計算についての活動計画やその他の活動についても発表する。
高野 誠; 奥野 浩
JAERI-Research 96-003, 170 Pages, 1996/02
この報告書は、経済開発機構原子力機関で実施された燃焼度クレジットの臨界ベンチマーク問題フェーズIIAの最終結果を示したものである。フェーズIIAのベンチマーク問題では、加圧水型原子炉使用済燃料の軸方向燃焼分布が臨界性に与える効果(端部効果)を検討した。燃焼度10、30及び50GWd/tにおける軸方向分布を考慮した。10ヶ国、18機関から合計22の結果が提出された。参加者の中性子増倍率は、1.0%kの幅で広がっていた。しかし、より厳密な比較を行った後では、この幅は0.5%kに縮まった。30GWd/tまでの照射では端部効果は1.0%k未満であった。しかし50GWd/tの場合では、この効果はアクチノイドとFPを両方考慮したときには4.0%kを超え、またアクチノイドのみでは1.0%k未満にとどまった。核分裂密度のデータは、燃焼燃料系の臨界安全解析における端部領域が持つ重要性を示した。
石島 清見; 森 行秀*; 更田 豊志; 笹島 栄夫
NEA/CSNI/R(95)22, 0, p.87 - 105, 1996/00
NSRRでは、1993年より50MWd/kgUの高燃焼度PWR燃料を対象としたRIA実験を開始したが、この第1回目実験において燃料は、燃料スタックの微粒化と脱落を伴う被覆管軸方向全長にわたる破損が生じた。本報告は、これまでに得た破損燃料の照射後試験結果等に基づき、現段階で考えうる破損メカニズム及び今後の研究課題を紹介するものである。パルス照射前の試験燃料には、被覆管外面水素化物の形成とこれに伴う被覆管の局所的な延性低下が見られ、燃料ペレット外周部では結晶粒径の微細化と微小気孔の集中分布(リム領域)の形成が見られた。また、パルス照射後の破損燃料では、最も延性の低下した被覆管表面から内面にかけて亀裂が進展したことが推測できた。これらの結果から、高燃焼度燃料の破損は、燃料ペレット外周部の熱膨張の加速が、水素化によって延性の低下した被覆管に過大なPCMI応力を及ぼした結果、生じたものと考えられる。
M.C.Brady*; 高野 誠; M.D.DeHart*; 奥野 浩; A.Nouri*; E.Sartori*
PHYSOR 96: Int. Conf. on the Physics of Reactors, 4, p.L41 - L52, 1996/00
臨界安全解析に関する燃焼度クレジット評価の計算方法の比較を国際的ベンチマーク計算グループがOECD/NEAの下で4年間にわたり行ってきた。その成果をここに発表する。11の国から約20人の参加者が結果を提供した。加圧水型原子炉(PWR)燃料に関する4つの詳細なベンチマーク問題が終了し、この論文にまとめられている。現在進行中の沸騰水型原子炉(BWR)燃料に関する予備的な結果のほか、計画中の混合酸化物(MOX)燃料を含む追加のベンチマーク、未臨界ベンチマーク、国際的データベースなどの他の活動についても述べる予定である。
安達 武雄; 中原 嘉則; 河野 信昭; 郡司 勝文; 鈴木 敏夫; 園部 保; 大貫 守; 加藤 金治; 立川 圓造; 井上 伸*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(10), p.1119 - 1129, 1994/10
被引用回数:8 パーセンタイル:60.22(Nuclear Science & Technology)ガドリ入り燃料から切り出された5個のグラム量使用済燃料試片の破壊分析を行い、アクチノイド及びFP核種を定量した。これらの分析値を用いて核設計コード(CASMO)と燃焼計算コード(ORIGEN-2)の両計算値の精度評価を行った。主要核分裂性核種(U,Pu,Pu)についてのCASMOの計算値は、約3%以内と実測値に非常に良く一致した。一方OROGEN-2の計算値は、UO燃料に対して約5%、GdO-UO燃料に対して約12%といずれも低い値を示した。この12%の過小評価は、ORIGEN-2の計算では、Gdの効果を考慮していないためであると考えられる。その他のマイナーアクチノイドについては、両計算コード間に大差はなく10%前後であったが試験間での変動が大きかった。FPについては、Eu及びSbが非常に大きなくい違いを示した。
大貫 晃; 秋本 肇; 井口 正; 村尾 良夫
JAERI-Research 94-012, 59 Pages, 1994/08
PWR-LOCA時再冠水過程における炉心内熱水力挙動をこれまで1515型模擬燃料集合体を用いて調べてきた。これまでの知見の実炉解析への適用性を評価するためには、燃料集合体形状(1515型と1717型との違い)及び燃料棒構造(被覆管材質・ギャップの有無)の影響を明らかにする必要がある。本研究では、小型再冠水試験装置による試験結果の比較及び1515型に適用可能であるREFLA/TRACコードの解析結果を仲介として、上述の各パラメータが炉心内熱水力挙動に与える影響を検討した。その結果、いずれの効果についても基本的な熱水力挙動は1515型で得られたものと変わらず、1515型模擬燃料集合体で得られた知見は実炉の燃料熱特性の体系にも適用できることがわかった。
柳澤 和章; 片西 昌司; 藤城 俊夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(7), p.671 - 676, 1994/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)出力過渡実験(燃料棒出力を4kW/mから32kW/mまで3kW/msで急昇)を実施し、以下の知見を得た。長手方向の燃料棒伸び歪みで評価したペレット-被覆管の力学的相互作用(PCMI)は、ベース照射済PWR燃料で0.07%であり、未照射PWR燃料で0.08%であった。観察された歪みの大きさは、スウェーデンのTRANS RAMPII実験での破損燃料の歪みと同程度であった。それにも拘らず本実験で燃料破損が生じなかった主たる理由は、線出力密度の増加途中から著しくなった緩和によるPCMIの急激な低下が原因であったと判断される。PWR燃料棒に発生したPCMIが、出力保持中ではなく過渡出力増加中に緩和によって減少する現象は本実験を通じて初めてみつけられた事象であり、燃料破損防止対策上極めて有用なものである。
高野 誠
JAERI-M 94-003, 145 Pages, 1994/01
本報は、OECD/NEAで行われた燃焼度クレジット臨界ベンチマーク計算フェーズ1Aに対する各国の最終結果をとりまとめたものである。使用済燃料棒中の核種として、主要アクチニド7核種、主要核分裂生成物(FP)15核種を使用した。燃焼度が、30GWd/tのとき、燃焼による反応度損失の約50%以上を主要アクチニドが、さらに30%以上を主要FPが分担していることが示された。また、主要アクチニドに比べ主要FPによる反応度損失の評価に対する参加者間の偏差が大きく、これはFP断面積の不確実性が比較的大きいことを示唆していることがわかった。